くだらない後書き

Ghost Apple
執筆開始
 -2013/09/29
終了
 -2014/02/01
連載開始
 -2014/01/03
終了
 -2014/04/04

原題『鈴の鳴らない青い根付を』


 しばらく書けていなかった時期を含めても約4ヶ月程度。好きなものを詰め込んだGhost Appleはこれで完結となりました。

 書き終わった今、私が言うことはただ一つ。まとめ用に公開したものでも、誰か一人でも読んでくれた人がいれば私は幸せです。





 でもなんか一つだけだと味気ない気がするんで色々思ったことを日記的に綴っていきます。





 書き始めたきっかけはどこかにも書いた通り、『短編でいいからちゃんとフラグ立てて回収してって構成作ってみたいな〜どうせなら最近知ったニアホモってジャンルにも手つけてみよっと』なんていうふざけた考えが発進地点でした。
 それからやってみたいテーマを決めていきプロット作り。 『和風ファンタジー』『バッドエンド』『ニアホモ』『歪な関係』『短編よりちょっと長いくらい』

 そんな感じで書き始めたはずなのですが、和風っぽさが日暮弟の袴姿と神社以外では出てこなくなり「和風…?」と少し考え込むことに。
 …テーマに沿えないならもう好き勝手やろうか、と開き直ってからが本番、それから更にやりたいことを詰め込んでいく感じにシフト変更。バッドエンドからメリーバッドエンドへ変更、その他諸々を変えていき、京太郎が日暮弟と三回目のご対面あたりから自分の中で全体のストーリーの方向性が持てた気がします。
 でもそのあたりで過ぎた説明不足と膨大なテキスト量に気づき頭を抱えながら完成まで持って行きました。

 書く間一番に考えていたことは、『雰囲気重視』。途中から説明不足が過ぎてしまったため諸所でうざいくらいに書いていましたが、書き始めた当初から、考えたテーマの雰囲気を崩さないよう心がけていました。言い訳ですね。
 頂いたご感想の中では伝わっている部分もあったようでひとまず安心していましたが、その中には過ぎた説明不足がとにかく際立っていたように思います。考えているものを全て出そうとしたところで無駄におかしなところを交えてナイフと魔法でドンパチやる現代ファンタジーになるところでしたのでそのへんはカットカットして問題なかったと思ってはいるのですが、現状を見る限り少しくらいは出しておかないといけなかったなぁと思います。素晴らしい言い訳ですね。
 それでも『無価値な説明不足』がいつか『価値のあるもの』になるように。と、少しだけ未来の自分に期待してみたり。頑張れ自分。超頑張れ。



 私はいつもストーリーを書くと『初期設定と初期設定にかけた時間はいったい』と考え込みたくなる人間なんですが、今回は思ったより初期設定を有効活用したゴールになりました。
 京太郎の物を上手く受け取れない癖だとか、雄介の性格だとか、青い根付だとか。最初に考えてから完結するまでの4ヶ月程度、ずっと繋がっていた要素がちらほらとありました。

 それでも蹴られた設定もたくさんあります。

 京太郎が隠れ熱血漢だったり。
 日暮兄が常にナンパ臭い感じだったり(偏頭痛で蹲った京太郎にかけた言葉と、その返事である「そんなのは女にやれ」という言葉に出ています)。
 雄介と会う度京太郎が体が黒ずんでいく夢を見ていたり。

 最終的に京太郎はクールでドライな家庭的男子へ、
 英介はナンパまでは行かず浮世離れした性格に、
 体が黒ずんでいく夢は忘れ去られることになりました。
 マジで忘れてた。中盤で気づいて慌てた記憶があります。時すでにお寿司。



 迷走も十二分にしました。一応初期設定らしい初期設定の立ち位置は『寂れた田舎町に一人越してきた京太郎、前の席に座る日暮兄、神社にいる日暮弟』と本編ままだったのですが、忘却症患って転校してくるのは日暮兄で待ち受けるのは京太郎だったり、日暮弟と会うのは神社じゃなくて図書室だったり、と無駄にちらほらしていました。
 待ち受ける京太郎は流石に日暮兄がゲス野郎になるので没。図書室だと本気で和風ファンタジーじゃなくなるので没という結果に。
 でも別パターンも別パターンでやってて面白かったかもしれないです。


 ついでにタイトルも迷走していました。
 続きが思いつかなくてそうだ暇だからネットにアップしようとよくわからない考えで急遽novelページを作ったのですが、そのときのタイトル変更で大変頭を悩ませました。
 最初の更新が7話までだったのですが、「あれ、タイトル鈴の鳴らない青い根付をってあるけど青い根付5話まで出てこなくね…?」と悟りタイトル変更へ。
 ですが思いつかないのなんの…うんうん唸りながら別タイトルを考えていました。あの時間を執筆に回していたらを思うと涙がちょちょ切れそうです。

 最終的に作業用BGMに聞いていたPeople In The Boxよりリリースされていたミニアルバム『Ghost Apple』をタイトルにそのまんま使うという暴挙に出ました。多分いつか改題すると思いますが今のところほかのタイトルがまったくと言っていいほど思いつきません。
 ですがずっと聞いていたせいもあってかGhost Apple収録の『日曜日/浴室』は結末に大きく反映されている部分があります。京太郎と日暮弟の結末はそれ…ぽい………?



 そして今回一番の失敗。
『メインキャラクター三人の名前を決めずに進める』
 とかなんとかふざけたこと言って執筆を開始しました。
 京太郎の名前もプロローグが終わってから考えたことですし、日暮兄弟にいたっては下の名前は京太郎が最後に日暮弟に会いに行くシーンまでまったく考えていませんでした。
 京太郎の苗字である内海は更にその後考えたものです。
 感想は『二度とやらん』これ一つ。
 何を書いてもわざと隠している感がいつまでも出てしまうため、とにかく頭を抱えました。これも執筆期間延長のタネになった気がします。
 最終的にそれをひっかけに使おうかと思ったのですがものの見事に失敗。ご覧の有様だよ。


 また考えてはいつつも出さなかったネタも多くあります。ああいうの考える時間削って別のことしてれば色々上手く物事が進むと思ったんですけどそうも行かないんですね。
 京太郎が越してくる田舎は『空譜』という地名だったり、忘却症京太郎の日常生活を日暮視点で〜だったり。
 空譜はちょっと中二臭いかな、日暮視点もわけわかんなくなりそーとフォルダの奥へとしまいこまれることになりました。
 ですが日暮視点での京太郎は物忘れが激しくふざけた掛け合いを生んでくれる人なので、またどこかで描くときがあるかもしれません。



 とにかく読み物でストーリーを作るのは初めてのことだったので読みづらいことこの上なかったのですが(自分で見てても)、最後のほうになるとそれが顕著になっていると思います。
 日暮の呪いと京太郎の気持ちで頭の中ごしゃごしゃになってる感を出そうと無理矢理プロットを組み替えてわざわざ読みづらいものにしたのですが、心底やらなければよかったと思います。分かっていることをわざわざ他人に聞いたり、書かれていないことを悟っていたり、とむしろ書いてる人が忘却症患ってんじゃね?とツッコみたくなるものがたくさんありました。見ていて心が痛くなるので多分これが黒歴史ってやつかもしれないですね。
 最後のみならず、最初のほうも一人称視点なのかそうでないのかぐらぐらしていたところもあったかと思います。いつも一人称でしか文章を作ってこなかったので、神の視点らしい視点が表せないのなんの。一応、記憶喪失のおかげでグラグラしている京太郎を考えていたのですが、これもホントにやめといたほうがよかったなぁと切に思います。


 でもそういった読みづらさも含んで、日暮弟の存在だとかなんだとか、とにかく別の作品に繋がる(予定)です。

 異質な町、
 日暮兄が疑問に思ったこと、
 京太郎と日暮弟のその後について。

 そして、京太郎がとった行動の、真意。

 好き勝手やったばっかりですが、またどこかでだらだら続けていくつもりでいるので、誰か一人でもその続きを気になると言ってくれたら嬉しいです。

 ありがとうございました。



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