Ghost Apple 28

「轟音。爆音。爆発音。」
「唐突ですか。」
「ホント、唐突に。ヒントもなーんにもなかった。」
 温かい空気に少しクリームが溶けてしまっただろうか。クリームの壁がなくなりふわりとフォークを通すようになったケーキは、スポンジの弾力だけでフォークに抵抗しようとする。そんなケーキの抵抗も虚しく一口は京太郎の口へと放り込まれてしまったが、あとに残る甘さは冷たいほうがよかったな、と考えさせるに充分な温度だった。
「って、ヒントもなんもなかったって、もしかしたらあったかもしんねぇけどさ。雄介の手から散らばったラムネとか。」
「あれがヒントになるんですか。」
「かもよ。まぁ、真相は闇の中だけど。」














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