Ghost Apple 48
もう、雄介が人をどこかへ連れて行くことはないだろう。勝手に思っているだけのことかもしれない。勝手に考えて、自己満足に完結させているだけかもしれない。
それでいい、とは言わないけれども。
でも、でも。
泥みたいに解けていく京太郎の意識の中で、
心底嬉しそうな雄介の顔だけが鮮明に残って。
京太郎の世界は、真っ暗闇へと変わっていった。
これで終わり。これだけの話。ここで、物語は終了。
ここまでにあったわからないことも、この先にあるこれからも、わからないし、知らないし、知らなくてもいい。
これで、終わり。
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